木質別に見る木製プランター

エボニーの大型プランターにチューリップの植栽

木製プランターについての内容です。

木製プランターは様々な木材で作られています。

しかし、使用する木材によって出来上がったプランターの性質は全く異なったものが出来上がります。

ここでは、プランターを構成する木材の性質を明らかにします。

ところで、国産材料を挙げるにあたって前提条件も必要です。

プランターを製作する木材としてはエシカルや経済発展の観点からも日本の木材を使用することとします。

比べる木材は産業用として利用できる持続可能な森林資源から調達される合法材から選びます。

そうなると、林業が行われる木材であるため自ずと針葉樹となります。

持続可能な森林資源とは、伐採の方法、植林の方法、育林の方法が合理的に循環し、森林資源が将来に渡り継続する林業です。

現在の日本においても違法伐採が横行しています。このような木材を購入することも産業や経済を侵し、持続性をも侵してしまう要素となります。気づかずに違法伐採の木材を購入しないことも需要者や消費者が注意すべきことです。

杉、檜、翌檜、赤松材、唐松材、椴松で見ていきましょう。

♦︎杉材は日本で最も多い畜材料の林産木材です。年数を経ると巨大木になることからも古くから建築に重宝されてきました。軽く軟かい木質です。密度が高くはなく、このような木材は釘打ちに下穴が不要などのメリットがあるため、作り手からは喜ばれます。屋外での耐久性は中程度です。

♦︎檜(ひのき)材:日本では高級木材として捉えられています。明るい白木で節のない木材は大木から得られ、日本では重宝されてきました。屋外での耐久性は高いです。

♦︎翌檜(あすなろ)材:檜に似た性質を持ちます。しかし、基本的に天然木で、檜の様な長物や日本人が好む様な部位を摂ることは難しい材です。水湿に強いことから建築構造材に使用される歴史があります。屋外での耐久性は高いです。

♦︎赤松材(アカマツ):松材特有の軽軟材です。加工性が良く造作の作り手に好まれる木材です。 節が少なく小さく、日本人が好む材料採りができます。曲がりが多いため長物は摂りにくいといえます。屋外での耐久性は低いです。

♦︎蝦夷松・椴松(エゾマツ・トドマツ):この二種の木材は別種類ですが、特別な大木でない限り混合材として流通します。輸入混合材のSPFと同じ原理なのでしょう。白木で日本人が好む見がかりです。原産地の北海道では建築の主材として使用されてきました。軽軟で造作の作り手に好まれます。屋外での耐久性は低いです。

♦︎唐松(カラマツ):マツ材ですが他のマツ材とは異なる性質が強い木材です。比重が重く曲げ強度が非常に高い材料です。木目ははっきりとして特に塗装すると美しい木目が現れる。材の性質が強く、曲がりや捩れると修正が効かない、狂いが大きい、ささくれが出やすい、油脂が多いなど造作の作り手にとっては関わりたくない材料の様です。屋外での耐久性は中程度です。

大体以上が産業用に流通している木材です。

これらの特性を表にまとめてみます。

屋外耐久耐湿軽軟加工特性比重課題
ヒノキ0.45優秀
ヒノキアスナロ0.45反りを押さえる構造
スギ0.40ややささくれあり
カラマツ0.55反り、捩れ、ささくれ、脂多い
アカマツ0.50曲りあり
トドマツ0.40ややささくれあり
日本の林産木材の性質

プランターの場合、湿気た用土を入れて植物を栽培する機能があるため、木材は水湿に晒されます。

非常に腐食しやすい環境で使用されるのです。

長く使用するためには耐久性のある木材を使用することが最も効果的です。

『耐久性の低い材料でも防腐剤を注入すれば長持ちする』という意見もありますが、建築などの様に屋外の紫外線や雨水に晒されない環境ならばそれも当てはまるでしょう。

しかし、先に挙げたプランターの材料として使用するには防腐剤に頼るのは効果的ではありません

その理由を次に挙げます。

  1. 木材は屋外の環境では割れが発生しやすい。
  2. 防腐剤は材の内部にまで均一に浸透し、効力を発出するとは限らない。
  3. 水湿により注入防腐剤は希釈される。
  4. 水湿により防腐剤は流出する。
  5. 長期使用の防腐剤は生物耐性により無効になる。

以上が防腐剤が絶対的に効果的とは言えない理由です。

日本には様々な生産木材があります。

それぞれに適した使用方法をするのが効果的です。

プランターを作る場合、どの木材を使ったら良いものができるのかは、もうお判りでしょう。

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