陶器製の素焼きのプランター

使用一年目の素焼きプランター20220708

一般的に”焼き物”とは、粘土でかたち作った”器”に熱を加えて焼き固めたものです。

この製法は人類が最も古い器の作り方として、世界各地で行われてきました。

古い時代製法は高温で焼く技術が発達しいなかったため、ほとんど熱が入っていないものや、低温焼きのものがほとんどです。

これらは”素焼き”と呼ばれています。

素焼きは現在でも製造され、用途はやはりガーデニング用が主ではないでしょうか。

日本では信楽焼などが有名ですね? もちろん信楽には高温焼きもあります。

ガーデニング用の用途とは、”植木鉢”です。

素焼きの植木鉢は通水性と通気性が特に優れています。

”通水性”はここでは排水性とは言いません。

釉薬を塗っていないものに限り素材にミクロの穴があり、そこから水が行き来しています。

植木鉢の外部からの水分の調達もあるだろうし、鉢内の不要な水分を排する機能もあります。

また、世界中で古代から使われてきた素焼きは人間の記憶に練り込まれているため、とても自然に受け入れらます。

どの様な景観にも違和感なく馴染みます。

素焼き製品の注意点を挙げます。

素焼きは低温焼きのため、凝結力が弱いことが挙げられます。

粘土質から凝結水を排除する必要最低限の温度までしか上げていない場合が殆どです。

温度を上げると硬くなり、ある場合の強度は高くなるのですが、硬いものは脆いというのが全ての材料の特性です。

素焼きもある程度の高温で焼く製法もあります。その様な製品は固いのですが、意外にも小さい衝撃で割れてしまうことがあります。

低温なほど硬さは小さいですが、粘さがあるので衝撃にはある程度強くなります。

製品でいうと、イタリアンテラコッタは低温焼きが多く、強度を持たせるために分厚く製作しています。

反対に、英国の〇〇〇〇フォードなどはある程度の高温で焼いていますので、固いですが衝撃による割れが怖い製品です。怖いというのはそれは高価な部類の植木鉢だからです。

イングリッシュ素焼きのウィッチフォード
イングリッシュ素焼きのウィッチフォード

素焼きは凍結にも注意が必要です。

イタリアンの場合は柔らかく分厚い構造であるため簡単には割れませんが、イングリッシュの場合は剥離割れが生じる場合があります。

凍結する様な気候帯の地域で使用する場合には、冬季は室内に仕舞うのが良いかもしれません。

焼き物全般に言えることなのですが、土を焼くと水分が抜け凝結力が強くなるために焼成中に収縮します。

この収縮は10%〜20%も収縮するといわれ、大きな製品は大きさに比例して絶対的な収縮も大きくなるため、これを吸収できずに割れて破壊されたりひび割れが生じてしまいます。

ですから、焼き物の場合には大きな製品を作ることができません。

円形の製品は収縮に強いためある程度の大きさは作ることができるかもしれません。しかし、四角や長方形の製品はある程度の大きさを超えることはできません。

焼き物は、大きさに関わらず焼成時の歪み力を製品に残っているものです。

その程度は個々の製品にそれぞれ異なる大きさの力であり一概には分かりません。

不意に力が加わったり、コツンと小さな衝撃だとしても、製品によってはパリッと割れてしまうことがあるのです。

10個の製品を10年間使用したとして、残っているのは7個くらいならば優秀と言えるでしょう。

そこは割り切って使用するのが良いでしょう。

素焼きの良いところは風化するということもあります。

景観を優れたものにするには風化の力が欠かせません。

そういった面から、素焼きは風化を感じられる素材です。

反面、高温で焼いた陶器は自然素材であるにも関わらず風化が現れないため、情緒の表情は得られにくいと言えます。

素焼きの製品は屋外に置いて、風化してもなんの違和感も感じません。

植物の生育も良好です。

衝撃には注意して使用しましょう。

10年残存率は7割程度です。

大きい製品は望めず、あったとしても壊れやすいので覚悟して使うのが良いでしょう。

以上が焼き物の素焼き製のプランターの特徴でした。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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