木製プランターの耐久年数は? と問われると瞬間的に3年くらいとかいう人が多いです。
木質のプランターの耐久年数にはバラツキがあります。
このバラツキの要因は以下の4つの要素に起因します。
1 木質の素材
2 木質の加工方法
3 木製品の構造
4 ユーザーの使い方
製品としてみれば、1、2、3が性能に起因するものだと言えます。
ひとつづつ見ていきます。
素材について
木質素材の種類については、持続可能的かつ合法材から選択することを原則として比較します。
もっとも手軽に使えるのが、パイン材 つまりマツ系の樹木です。
パイン材は軽量軟質で使いやすい素材ですが、もともと耐朽性に劣るので防腐剤を注入して耐久性を上げるのが一般的です。
防腐剤を施していない木材で製作し、土を入れて屋外の雨晒しで使用すると1、2年で形状の破壊がはじまります。
防腐剤を注入しても3、4年で破壊されます。
木材の場合、一部分で腐食が始まると、その部分を基点として急速に広がっていきます。
多くの場合、防腐剤が入り込めない木材内部からの腐食が始まり、防腐剤が効いていて且つ乾燥の時間が長い表面部分は最後まで残ります。
内部からの腐食の始まりは、小さな割れや小口からのカビ類の侵入です。
このような腐食は、乾燥が容易な薄い板材よりも、乾燥が進みにくい厚板の方がキッカケは早く現れます。
ですから、木材の防腐に頼ることで耐久性を上げるには限界があり、防腐剤がなくても長持ちする木質を採用することが重要なのです。
パインよりも杉材を。杉材よりもヒノキを。そしてヒノキアスナロで作るプランターが長持ちします。
木材の加工方法
割れや小口からカビ菌などが入ることは前項で説明いたしました。
ですから、これらの要素について影響を受けにくくする木材加工が必要です。
割れない使い方をする。
小口処理をきちんと行う。
持続可能且つ合法材ということから、日本では針葉樹の素材になります。
針葉樹は木質構造が広葉樹とは異なり、木繊維を結束する力が弱いため小口に割れが生じやすいのが特徴です。
切りっぱなしの小口は時間の経過とともに乾燥して割れが発生し、さらに深く、細かく広がります。
小口の割れを防ぐことが重要で、塗料や割れ止剤などを用いて造膜して、繊維質の結束と仮道管からのカビ菌の侵入を防ぐことが必要です。
また、同じ木質でも、芯材を避けることや、新しい木繊維の白太(しろた)などを避けることも重要です。
木製品の構造
屋外で使用する木製品は、湿気のある状態では腐食が早く進み、反対に乾燥の状態では緩慢に進みます。
室内環境の様に全くの乾燥状態だとほとんど腐食は進みません。
屋外でも、乾燥にある砂漠地帯の木材は数千年経た現在にでも腐食せずに残存します。
日本の環境においては、あめざらしの屋外では腐食が全く進まないということは考えられません。
しかし、ある程度に乾燥状態が長ければ耐久性は上がります。
つまり、風通しの良い構造にすることは重要です。
地面にベタ置きにした板材よりも、浮かせてあげた方が乾燥は促せます。
使い方
使い方には扱い方と使用環境の要素があります。
扱い方は、手荒い取り扱いを行い、ひび割れやささくれ、留め部分の欠損から始まり、そこを起点に腐食が始まるなどがあります。
使用しないときに屋外に放置にしているのか、倉庫に収納しておくのかで相当の違いが生じます。
使用環境で見ると、湿気の多い環境では腐食は早く進行します。継続する長い日数の雨の影響も小さくありません。
雪国だと、屋外に放置した木製品に積雪が残り、春先の雪解け時期に常に水湿している状態のものは極めて短命になりやすいです。
水湿しても、時々乾燥する状態の方が長持ちします。
以上の内容から見て、木質のプランターの耐用年数は様々です。
木材の種類 × 加工方法 × 製品構造 × 使い方
により違う結果になります。
木製プランターの耐用年数は、1〜10年で、上記の要素により変わってきます。